1. 蒲鉾物語
蒲鉾の旨さの秘密をその歴史やいろいろなエピソードから探ってみましょう。

蒲鉾の由来と歴史

神功皇后が三韓征伐へ向かう途中、生田杜(今の神戸)で魚の身をすりつぶし、それを鉢の先に付けて焼いて食べたのが起こりで、その姿が蒲の穂に似ていたことから「蒲鉾」の名が生まれたといわれています。ただし、これは作り話の域を出ず、この伝説の記録は発見されていません。

文献に登場するのは平安時代以降で、そのころ「蒲鉾」と呼ばれているのは竹に付いたちくわ。つまりその原型は今のちくわだったのです。それが板付になったのは、室町時代のことで、はじめは焼いて作り、後に煮るようになりました。蒸されるようになったのは江戸時代で、このころにようやく、今の蒲鉾の姿になってきたのです。

蒲鉾のなぞ

どうして板が付いているの?

科学的な理由がります。自然の木の板は蒸し上がった蒲鉾が出す余分な水分を適度に吸い込んで、腐りにくく、また、カビにくくしてくれるのです。

なぜ白いの?

「さらし」という行程があるからです。冷たい水で洗いながら身をさらすことで、魚の脂肪をきれいに取り除き、さらに蒸されることでいっそう白くつややかになるのです。

どんな栄養があるの?

魚肉から作られる蒲鉾は、良質のたん白質やカルシウムがたっぷりです。しかも低カロリー、低脂肪ですから、代表的なヘルシーフードといえます。もちろん塩分の心配もありません。

宇和島の蒲鉾は、焼き抜きといわれ、その原型にもっとも近いもので、素朴で、宇和海の新鮮エソを用い塩味だけで作るのを特徴としています。
明治・大正時代では、小田原、明石とともに日本三大名産地でした。現在も代表的な製法が維持されていて、昭和55年(1980年)には、八幡浜とともに愛媛県の伝統的特産品に指定されています。